この記事の結論 青色申告特別控除で65万円の控除を受けるには、①複式簿記での記帳、②貸借対照表・損益計算書を添付した期限内申告、に加えて、③e-Taxによる申告または優良な電子帳簿保存、が必要です(国税庁の情報に基づく)。e-Taxは国税庁の「確定申告書等作成コーナー」(無料)から自宅で行えます。難しく見えますが、正体は「日々の記帳の積み重ね」。仕組み化すれば越えられます
正直に言うと、私も最初は何もわかりませんでした。
妻が副業でせどりを始めて、売上が伸びてきたとき、「青色申告」「65万円控除」という言葉を初めて真剣に調べました。複式簿記? 貸借対照表? 調べるほど専門用語の壁にぶつかって、不安になったのを覚えています。
同じ場所で立ち止まっている方のために、当時の自分が知りたかったことを整理しました。
※本記事は国税庁の公開情報をもとに、執筆時点の内容で書いています。最新・詳細は国税庁サイトでご確認ください。
65万円控除で、何がどれくらい変わるのか
青色申告特別控除は、所得から最大65万円を差し引ける制度です。
たとえば税率が所得税・住民税あわせて20%程度の場合、65万円の控除で税負担はざっくり13万円ほど軽くなる計算になります(あくまで目安です。税率は所得によって変わります)。
白色申告にはこの控除がありません。同じ売上・同じ経費でも、申告の方法だけで手取りに差がつく。だから売上が伸びてきた人ほど、青色申告を検討する価値があります。
65万円控除の条件を整理する
国税庁の情報をもとに、条件を整理します。
まず前提として(55万円控除の条件)
- 事業所得(または事業的規模の不動産所得)があること
- 青色申告の承認を受けていること(事前に「青色申告承認申請書」の提出が必要)
- 複式簿記(正規の簿記の原則)で記帳していること
- 貸借対照表と損益計算書を添付して、期限内に確定申告すること
65万円にするには、上記に加えてどちらかが必要
5-A. e-Taxで確定申告書と青色申告決算書を期限内に送信する 5-B. 仕訳帳・総勘定元帳を「優良な電子帳簿」の要件で保存し、届出書を提出する
多くの個人事業主にとって現実的なのは 5-A(e-Tax) です。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」(無料)から自宅で送信でき、これで65万円の追加要件を満たせると国税庁自身が案内しています。
なお、税務署のパソコンからは青色申告決算書のデータ送信ができないため、e-Taxルートを使う場合は自宅等からの送信になります。
「難しそう」の正体は、日々の記帳
条件を見て、一番ハードルが高く感じるのは「複式簿記での記帳」だと思います。私もそうでした。
でも、調べてわかったことがあります。複式簿記は、取引のたびに自分で仕訳を考える必要はないということです。日々の売上や仕入れを決まった形で記録さえしていれば、仕訳や帳簿への変換は仕組みに任せられます。
つまり65万円控除への道は、実は2つの要素に分解できます。
- 日々の記録:これが土台。ここさえ続けば帳簿はできる
- 申告方法:e-Tax(無料の作成コーナー)を使えば追加要件も満たせる
「簿記の勉強を一から」ではなく「記録の仕組みを作る」。そう捉え直したとき、私の中で不安がだいぶ小さくなりました。
見落としがちな「在庫」の話
せどり・物販の方に特有の注意点がひとつあります。仕入れた金額が、すべてその年の経費になるわけではないことです。
その年の売上原価は「年初の在庫(期首)+年中の仕入れ − 年末の在庫(期末)」で計算されます。売れ残った在庫は経費にならず、資産として翌年に繰り越されます。
だから、年末時点の在庫を正しく記録しておくことが、正しい申告の前提になります。日頃から在庫を管理できていれば、ここで慌てることはありません。
これから変わる点にも、ひとこと
なお、令和9年(2027年)分以降の所得税から、青色申告特別控除の要件が見直される改正が予定されています。方向性としては、電子での申告・帳簿保存がますます標準になる流れです。
いま日々の記帳とe-Taxの環境を整えておくことは、この流れへの備えにもなります。詳細は国税庁の最新情報でご確認ください。
まとめ:不安の正体がわかれば、一歩を踏み出せる
- 65万円控除=複式簿記+決算書添付の期限内申告+e-Tax(または優良な電子帳簿保存)
- e-Taxは国税庁の作成コーナー(無料)から自宅でできる
- 一番の土台は「日々の記録」。ここを仕組み化できるかがすべて
- せどりは在庫の記録も忘れずに
私自身、調べる前は「自分には無理かも」と思っていました。でも分解してみれば、やることは日々の記録と、年に一度の無料サイトからの送信です。この記事が、あのときの私と同じ場所にいる方の、一歩目の助けになれば嬉しいです。
このツールについて
このExcelは、せどり・物販に特化した売上管理ツールです。 妻のせどりを実際に管理しながら、現場で本当に必要な機能だけを作り込みました。
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