この記事の結論 せどり・物販向けの売上管理Excelでは、日々の仕入登録・売上登録の記録が、青色申告決算書(一般用)の様式に準じた集計シートに自動で反映されます。月末に「月次確定」を実行するだけで、在庫の確定から帳簿への転記、損益計算書・貸借対照表の集計までが一括で完了。確定申告の時期に一年分をまとめて整理する必要がなくなり、申告前の数字整理の手間を大きく減らせます
連載もいよいよ最終回です。仕入登録、売上登録、在庫管理、そしてサマリー。ここまで紹介してきた日々の記録が、最後にどこへたどり着くのか。
それが今回のテーマ、「青色申告への備え」です。
確定申告が「こわい」のは、当たり前です
せどりや副業を続けていて、売上が伸びてくると、必ず頭をよぎるのが確定申告です。
「青色申告って何から手をつければいいの?」 「複式簿記なんてやったことがない」 「一年分の取引、今さらまとめられる気がしない」
正直に言うと、私自身もそうでした。妻のせどりの数字を管理し始めたころ、申告のことを調べるたびに専門用語の壁にぶつかって、不安になったのを覚えています。
でも、調べてわかったことがあります。申告がこわいのは、「一年分をまとめて処理しようとするから」です。
日々の記録さえ整っていれば、申告はその積み重ねを形にするだけ。逆に、記録がバラバラだと、どんなに頑張っても年末に地獄を見ます。
だからこのツールは、日々の登録がそのまま申告の土台になるように設計しました。
日々の記録が、決算書の様式に集まっていく
このツールには、青色申告決算書(一般用)の様式に準じた集計シートが入っています。

売上(収入)金額、期首・期末の棚卸高、仕入金額、売上原価、そして売上総利益。青色申告で求められる損益計算書(P/L)の並びに沿って、数字が自動で集計されます。
注目してほしいのは、これらの数字をあなたが手で埋める必要はないということです。
第1回で紹介した仕入登録、第2回の売上登録。あの日々のワンクリックの記録が、裏側で帳簿の形に整理され、最終的にこのシートへ流れ込んできます。
経費も同じです。

通信費、水道光熱費、旅費交通費といった経費の科目ごとに集計され、経費合計から所得金額の計算までつながっていきます。
確定申告の直前に、レシートの山と格闘しながら一年分を集計する——あの作業が、日々の記録の積み重ねに置き換わります。
月末は「月次確定」を押すだけ
このツールの申告への備えを支えているのが、月次確定という仕組みです。
月末に一度、対象の月を入力して実行します。

実行前には、これから行われる処理が確認できます。

月末在庫の確定、帳簿への転記、損益計算書・貸借対照表への反映、預金出納帳の更新。月の締めに必要な処理が、まとめて実行されます。

完了すると、何がどこまで処理されたかが表示されます。これで、その月の数字は確定です。
第3回で紹介した月末在庫のロックも、この月次確定に含まれています。毎月この一手間を続けるだけで、年末には12ヶ月分の確定した数字が積み上がっている——これが、申告をこわくなくする仕組みです。
「65万円控除」について、正直にお伝えしたいこと
青色申告といえば、最大65万円の特別控除が有名です。
ただ、ここは誠実にお伝えします。65万円の控除を受けるには、複式簿記による記帳に加えて、e-Taxによる申告または電子帳簿保存といった、このツールの外側にある要件も満たす必要があります。
つまり、このExcelを使えば自動的に65万円控除が受けられる、というものではありません。
このツールができるのは、控除を目指すうえで欠かせない「日々の記帳と数字の整理」の部分を、できる限り自動化することです。売上・仕入れ・経費・在庫の数字が整っていることは、どの申告方法を選ぶにしても土台になります。
65万円控除の具体的な要件や、期首・期末の在庫が利益計算にどう関わるのかといった詳しい話は、国税庁の情報をもとにした別の記事であらためて解説する予定です。
※申告そのものは、このExcelで整理した数字をもとに、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」(無料)などから行えます。会計ソフトの契約は必須ではありません。判断に迷う点があれば、税務署の相談窓口(無料)や税理士に確認できます。
連載のまとめ:管理は「仕組み」で解決できる
全5回の連載は、これで最終回です。ふり返ってみます。
第1回・仕入登録:入力はフォームから。在庫表への転記も金額計算も自動 第2回・売上登録:手数料・原価を引いた「本当の利益」が売れた瞬間にわかる 第3回・在庫管理:在庫を「眠っているお金」として金額で把握する 第4回・サマリー:月々の成績が自動で集計され、数字で判断できるようになる 第5回・青色申告への備え:日々の記録が、そのまま申告の土台になる
一貫してお伝えしたかったのは、せどり・物販の管理は、根性や几帳面さではなく仕組みで解決できるということです。
取引件数が多くて管理が追いつかない。利益がどこにあるのかわからない。申告が不安で夜も眠れない。——その悩みは、あなたの能力の問題ではありません。せどりに合った道具がなかっただけです。
この連載で紹介したツールが、副業や個人事業を頑張るあなたの「毎日の数字の悩み」を少しでも軽くできたら、作った者としてこれほど嬉しいことはありません。
このツールについて
この連載で紹介してきたExcelは、せどり・物販に特化した売上管理ツールです。 妻のせどりを実際に管理しながら、現場で本当に必要な機能だけを作り込みました。
取引件数が多くても、利益・在庫・資金繰り・帳簿づけまでこれ1つで完結します。
買い切り型で、購入後の改善版も追加料金なしでダウンロードできます。
近日、BOOTHにて公開予定です。最新情報はX(@Warp_Speed8812)でお知らせします。


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